『もし自分の大切な人が辛そうにしていて、
　「どうしたの?」と聞いたとき
　「なんでもない」って言われたらどう?

　「なんでもない」といった人が
　目の前で机叩いたり、自分のこと傷付けたり、
　物や自分の身体に当たってたら・・・そんな姿を見てどう思う?』

一昨日の夜、彼氏さんとごたごたしたとき、
私は彼氏さんにそう言われた。

『もし私がそうしたらどうする?』

その一言が結構きいた。

私は、その姿を想像するだけで嫌になった。
絶対、心配になる。不安になる。
出来れば話して欲しい。力になりたいって、思うだろう。

でも相手はそれを拒否して自分に溜め込んでいく。

そんな姿、見たくもない。
嫌だ、って心の底から私は感じた。

そして、そこで私は気付いた。

言うことによって相手を苦しめるという考えは間違いで、
言わないで隠されている方がよっぽど相手にとっては苦痛なんだと言うことに。

私は、言うことによって
相手に重荷や迷惑をかけるのが怖かった。

だから肝心なことは言わないでいた。

全部自分で抱えれば
嫌われることはない、と思っていた。

けれども。
実際はそうじゃなかったみたいで。

彼氏さんは私が言わないで隠している姿に
心を痛めていたらしく、辛かったそうです。

でも、全然私はそんなことには気付かず。

辛くて何か言いたいときでも
嫌われないように、と言葉を飲み込んで
「なんでもない」っていうように努めていた。

でも、結局それは間違いだったみたいで。

私は彼氏さんや、
周りの心配してくれている友達の心を
少しずつ傷付けてたんだな、って思った。

誰かに「言う」というのは怖い。

相手に重荷を背負わせてしまうから。
相手に苦痛や辛さを分け与えてしまうから。

もうCちゃんみたいな人を作りたくないって思ってた。
頼りすぎて、傷付けちゃうのはもう嫌だって思ってた。

でも、彼氏さんはやっぱり大人というか、優しくて。

朔葉の全部を受け止めるから、って
彼氏さんは言ってくれた。

だから隠さないで
朔葉の気持ちを全部言って、と。

私はうん、と答えた。

まだ全部を上手く話せるようになるかは分からないけど、
「どうしたの?」と聞かれたら
自分の気持ちを素直に話そうと思う。

それが周りで心配してくれるみんなに出来ることなんだなって。
そう自分に言い聞かせて。

私は頑張っていきたい。

ありがと、彼氏さん。
いつもありがとう。大好き。

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